ハコスコがデジタルアーカイブ事業開始【文化財や観光地をメタバースと連動し新しい価値を提供】

メタバースマスターズ結成

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2022年1月28日、株式会社ハコスコ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤井直敬 以下、ハコスコ)は、歴史的建造などの文化財や、観光地などの再現を目的としたデジタルアーカイブ*や、ハイエンドなメタバース空間の制作を行うメタバースソリューション事業を開始した。

デジタルアーカイブ
公文書や、その保管場所を意味する「アーカイブ」に、デジタル技術を意味する「デジタル」を合わせた造語で、「デジタルデータとして劣化なく永久的に保存する」記録方式を指す。これまでは図書館や博物館、美術館、教育機関など一部の公的機関に限定されていたが、昨今では歴史的建造物や芸術作品などの文化財、さらには、民間企業でも活用されている。データをインターネット上で公開することで、世界中のどこからでも自由にアクセスし、閲覧できるというメリットもある。

1.「メタバースマスターズ」を結成

メタバースマスターズ結成
画像出典:ハコスコニュースリリース

メタバースソリューション事業は、フォトグラメトリ*やメタバース制作の専門チーム「メタバースマスターズ」が運営する。「メタバースマスターズ」は、ハコスコ、太陽企画株式会社、VoxelKei氏、スタジオダックビル合同会社の4者で結成された。

フォトグラメトリ(Photogrammetry)
被写体を、360度、さまざまなアングルから撮影し、その数千枚に及ぶ写真(デジタル画像)の視差情報を解析・統合して立体的な3Dモデルを生成する手法。人物、建築物、工作物、空間などを再現できる。地上だけでなく、空中、水中でも活用されている。3Dスキャン手法に比較すると短時間でデータを取得できるというメリットもある。

ハコスコらメタバースマスターズのメンバーは、2017年から、ドローンや測量用3Dレーザースキャナなどによって生成した文化財指定の建造物や地域などの3Dモデルを活用した体験コンテンツを制作してきた。これらは、国内外観光の誘客に利用されるなど、高い評価を得ている。
今回、これまで培ってきた最先端のデジタルアーカイブ技術や、体験コンテンツ制作技術を基に、現実世界の再現を目的としたメタバースソリューション事業を広く展開する考えだ。

2.メタバースマスターズ各社の紹介

ハコスコ

「現実を科学し、ゆたかにする」実験カンパニー。脳科学的アプローチで体験をデジタル化するVR事業とブレインテック事業を展開。株式会社ハコスコ公式サイト

太陽企画社株式会社

テレビCMを始めとして数多くの映像を手がける総合制作会社。2016年に国立科学博物館のVRコンテンツ「おウチで科博」をハコスコと共同開発したことをきっかけにVR事業を本格化。2020年にフォトグラメトリを駆使した「国立天文台 東京・三鷹キャンパスの明治~昭和初期の天文台文化財」、2021年には旧奈良監獄のフォトグラメトリを含む「奈良近代建築VR」を制作。太陽企画株式会社公式サイト

旧奈良監獄VR
旧奈良監獄VR(画像出典:ハコスコニュースリリース

VoxelKei氏の事例紹介

リアルタイム3DCGを活かしたコンテンツの開発を手掛ける。「日本列島VR」でVRクリエイティブアワード2017 朝日新聞社賞、Innovative Technologies+ 2017 選考委員特別賞を受賞。「DepthFieldStream」でXRクリエイティブアワード2020 優秀賞を受賞。「Communicate Your Dimension!」でVRAA01 最優秀賞受賞。「Mayakan Volumetric」でVRAA02 豊田啓介賞受賞。VoxelKei氏公式Twitter

日本列島VR(2017)
Mayakan Volumetric(2020)
GunkanjimaVerse(2021)

スタジオダックビルの事例紹介

フォトグラメトリ技術のエキスパート。構造物の3Dデータ化は、メタバースなどでのイベントだけでなく、デジタルツインによる文化財の保護修繕など、幅広い用途での活用が期待されている。スタジオダックビル合同会社

3.メタバースソリューション事業の概要

メタバースソリューション事業は、所有する貴重な建築物や文化財のデジタルアーカイブをオンライン上で公開したり、観光資産をメタバースと連動したり、現実世界をデジタル空間上で再現することによる新しい価値提供を検討している人を対象としている。

同事業の特徴やメリットは次の通り。

  1. 国内トップクラスのデジタルアーカイブのエキスパート陣が、メタバースワールドを制作。
  2. フォトグラメトリCGを使用し超高精度の現実空間をデジタル再現。
  3. 企画・撮影からデジタルアーカイブ、ワールド制作までワンストップで対応。
  4. 観光資産をメタバース空間と連動し誘客。
  5. デジタル再現された空間に、いつでもどこでも多人数で参加でき、新しい価値を提供。
  6. デジタルアーカイブ関連助成金の企画・申請についての相談やサポートも可能。
  7. 貴重な建築物や文化財、観光資源をデジタルで残し、災害など不測の事態に備える。

助成金についての相談や申請サポートも行っているとのこと。助成金全般に言えることだが、その情報はつかみづらく、見つけたときには募集が終了しているというケースも少なくないため、検討している人は早めのアクションが吉かもしれない。

なお、価格は下表のとおり(2022年2月2日時点)。

3DCGモデル制作メタバースワールド制作備考
価格300万円〜100万円〜ヒアリング、ロケハン、撮影、編集
納期2か月〜制作内容により変動

問い合わせや資料請求、最新価格の確認はメタバースソリューション事業特設ページから行える。