トーセがメタバースに参入【2,300本以上の開発実績を持つゲーム業界最大手の受託開発会社が異業種とコラボに意欲】

株式会社トーセウェブサイト

2021年12月13日、株式会社トーセ(本社:京都府 以下、トーセ)の代表取締役会長兼CEO 齋藤茂氏が、京都新聞のコラムでメタバース参入の意欲を語っている。

株式会社トーセウェブサイト
トーセのトップページ(画像出典:トーセ公式サイト

1.2022年はメタバース元年

コラムの冒頭では、Facebookの社名変更、MicrosoftやNVIDIAのビジネス展開、ゲーム業界についてはEpic Gamesなどのビジネスチャンス探求について触れ、「この分野(メタバース)の主導権争いもやはりアメリカに軍配が上がるのでしょう」としたうえで、ANAやグリー、JTB、パソナなどがメタバース事業に本格参入することから「メタバース元年と言えると個人的に思っている」とした。

2.トーセに吹く追い風

トーセは、ゲーム業界最大手の受託開発会社である。ドラゴンクエストシリーズ、ファイナルファンタジーシリーズ、スプラトゥーン2などの開発に携わっていて、モバイルコンテンツ(スマホアプリ)の開発も広く手掛けている。顧客間の守秘義務を理由に開発タイトルを公表していないが、その数は2,328タイトル、比率は、コンシューマゲーム46%、モバイルコンテンツ42%、アーケードゲーム他12%となっている(2022年1月19日現在)。

数字で見るトーセ
数字で見るトーセ(画像出典:トーセ公式サイト

また、元祖メタバース「Second Life*」で、有名百貨店、自動車メーカー他、多くの企業の制作を担当した経歴もある。

Second Life
Second Life(セカンドライフ)とは、米Linden Lab社が2003年に公開したインターネット上の3D仮想空間で、仮想空間を自由に散策したり、文字や音声のチャットでコミュニケーションを取ったり、買い物したり、服や家具、建物、武器などを制作することもできる。制作したデジタル商品や不動産はゲーム内通貨:L$(リンデンドル)で取り引きされ、RMT(リアルマネートレード)によって米ドルに換金することができる。「元祖メタバース」や「早すぎたメタバース」と呼称されることもある。Second Life公式サイト

コラムでは、Second Lifeが下火になったこと(現在は少しずつ盛り返していること)に触れ、現状を鑑みたメタバースを成功させる要因として、「5Gのメリットであるハイスピード、低遅延、多接続だけをとってもメタバース構築には大きなメリット」、「スマホでは画面をタッチするだけでアバターを動かせるために直接的な操作が可能」を挙げた。

そしてこれらは、スマホのコンテンツを開発し、「開発に必要な企画、デザイン、プログラム、作曲、サーバー運営、デバッグまで、全ての人材が会社の中に多数いる」トーセにとっては追い風であるとした。

3.企業はメタバース事業への参入を前向きに検討するべき

「メタバースでは、現状の世界にあるほとんどのことが体験できビジネスに繋がるため、企業はメタバース事業への参入を前向きに検討するべき」として、その理由について次のように話している。

齋藤茂|株式会社トーセ
株式会社トーセ代表取締役会長兼CEO 齋藤茂氏(画像出典:京都新聞

「例えば、リアルとも連動しているので、アバターが買った品物が実際に手元に届きます。旅行や文化体験やメタバース上で得た知識も実際に皆様のものとなります。
ビジネスはリアルとメタバース上の両方でできるのでチャンスが2倍になり、それ以上に皆様がアバターに親近感を覚えるとアバターに服を買ったり、ペットを飼ったり、友達をつくったりというマネタイズの要素が新たに出現します。
今流行りのNFTもメタバース上でアバターが見たり、体験したり、買ったりも出来ます。通貨も仮想通貨だけでなく、皆様が大量に蓄えているポイントも使えるので購入意欲も増加します。」

齋藤会長はコラムを「2022年がメタバース元年になるように、いろいろなアイデアを出しながら多くの異業種とコラボして取り組んでいきたいと思います」と締め、メタバースに参入する決意を明かした。