TerraZeroが史上初のメタバース住宅ローンを発行【仮想不動産デベの市場参入を促進】

TerraZeroTechnologies Inc.(以下、TerraZero)は、史上初となる「メタバース住宅ローン」を発行した。先行者利益を狙う仮想不動産デベロッパーの市場参入を促進する。

メタバース住宅ローン
画像出典:TerraZero

1.史上初のメタバース住宅ローン

TerraZeroは、メタバースプラットフォーム「Decentraland(ディセントラランド)」内の歓楽街にある計45,000ドルの仮想土地について、約30,000ドルのローンを発行した。当該土地の近所にはコンサートスペースやゴルフゲーム場があり、クライアント(借り手)は、5階建ての建物を構築し、賃貸やゲーム提供によって収益を上げる計画。

  • 現実世界では、住宅ローンの返済期間は30~40年だが、このメタバース住宅ローンの返済期間はわずか2年。
  • 現実世界のように厳しい規定もない(少なくと今はまだ)。
  • とは言え、メタバース住宅ローンを発行する前に、クライアントの現実世界のクレジットスコアと財務のチェックはする。

2.TerraZeroについて

TerraZeroの主な事業内容は、メタバース内の仮想不動産、広告、データ分析、イベントとマーケティング、インフラストラクチャだ。暗号資産やNFTの構築、ゲームの開発なども行う。
同社CEOのDan Reitzik(ダン・レイツィク)氏は、暗号通貨とブロックチェーンのパイオニアであり、クラウドマイニングを手掛けるDMG Blockchain Solutionsの共同創設者兼CEO(2016~2021年)であり、2021年にTerraZeroを設立した。拠点はバンクーバー(カナダ)とロサンゼルス(アメリカ)。

TerraZeroTechnologiesの事業内容
TerraZeroの事業内容(画像出典:TerraZero

3.メタバース不動産事業と住宅ローン事業

メタバース不動産事業

TerraZeroの事業で特に目立つのは、メタバース内に自社保有する仮想不動産の開発、売買、賃貸、仲介事業である。「Decentraland」、「The Sandbox(サンドボックス)」、「Somnium Space(ソムニウム スペース)」、「Solana Portals(ソラナ ポータル)」、「Galaverse(ガラバース)」に多くの仮想土地を保有している。

TerraZeroTechnologiesが保有する仮想土地
TerraZeroが保有する仮想土地 2022年2月5日時点(画像出典:TerraZero

住宅ローン事業

また、今回、史上初の取り組みとなった「メタバース住宅ローン」も、不動産事業の一括である。同社公式サイトにあるMetaverse Mortgage(メタバース住宅ローン)の資料請求ページから詳細資料を請求することができる。

「メタバース住宅ローン」を利用する場合、購入する仮想不動産、または、他の暗号資産(NFTなど)を担保として設定し、ローン完済まではTerraZeroが所有者となる仕組みだ。同サイトにログインすれば仮想不動産を検索することができる。

今回の発表に際し、同社CEOのDan Reitzik氏は次のようにコメントしている。

TerraZeroのビジョンは、現実世界とメタバースをつなぐツールを構築して提供することです。まったく新しい経済が出現しており、起業家やその他の人々が、現実世界で利用できるメタバース向けの同様の製品やサービスを利用できるようにしたいと考えています。 住宅ローンと資金調達の可用性は、メタバースの開発と採用を促進し、この新しくエキサイティングな経済の最前線に立つことに興奮しています。

引用元:Cision PR Newswire
TerraZeroクライアントのアバター
Decentraland内で仮想土地を探しているTerraZeroのクライアント(画像出典:TerraZeroニュースリリース

4.メタバースの仮想不動産市場

CNBCは次のように報じている。

MetaMetric Solutionsによると、4つの主要なメタバースプラットフォームでの不動産販売は2021年に5億100万ドルに達しました。メタバースのデータプロバイダーによると、1月の売上高は8500万ドルを超えたという。このペースでの売上高は2022年に10億ドル近くに達する可能性があると予測しています。

引用元:CNBC

なお、4つの主要なメタバースプラットフォームとは、「Decentraland」、「The Sandbox」、「Somnium Space」、「Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)」を指し、サイズの異なる区画が計268,645個存在する(2022年2月1日時点)。

また、TerraZeroは、仮想不動産が購入される理由として3つを挙げている

仮想不動産が購入される3つの理由
画像出典:TerraZero
  1. 消費者がオンライン体験にお金を支払うことに関心を示しているため、仮想不動産デベロッパーが、メタバースでサービスを提供するために数百万ドルを投資している。
  2. Nike(ナイキ)やAdidas(アディダス)のようなトップブランドがメタバースに移行している。
  3. メタバースは、「SecondLife*」のようなオンラインゲームですでに普及していて、古くは「The Sims*」が発売された20年以上前からある概念である。それが最新版にアップデートされただけであり、Early Adopters(アーリーアダプター:初期採用者)にはチャンスがある。

Second Life
Second Life(セカンドライフ)。米Linden Lab社が2003年に公開したインターネット上の3D仮想空間で、仮想空間を自由に散策したり、文字や音声のチャットでコミュニケーションを取ったり、買い物したり、服や家具、建物、武器などを制作することもできる。制作したデジタル商品や不動産はゲーム内通貨:L$(リンデンドル)で取り引きされ、RMT(リアルマネートレード)によって米ドルに換金することができる。「元祖メタバース」や「早すぎたメタバース」と呼称されることもある。Second Life公式サイト

The Sims
The Sims(ザ シムズ)。2000年にアメリカのゲームクリエイターであるWill Wright(ウィル・ライト)氏が開発し、米Electronic Arts社から発売されたコンピューターゲーム。プレイヤーは「シム(アバター)」を作成し、住居の購入、食事、入浴、就寝などの日常生活を送る。就職、恋愛、結婚、出産などのイベントを迎えながら、仮想の人生を送る。シムはそれぞれ異なる性格を持っていて、放置しておくとその性格にあわせた行動を取る。また、服装や住居などをデザインすることができ、インターネット上での交換なども行われていた。The Sims公式サイト

TerraZeroが挙げた理由の3つ目、「アーリーアダプターのチャンス」、つまり、「先行者利益の可能性」が多くの企業をメタバースに向かわせる理由だろう。あるいは、Late Majority(レイトマジョリティ:後期追随者)になりたくないという恐怖心かもしれない。
いずれにしても、早期に参入したい(メタバース上の仮想土地を購入したい)と考える企業は多いはずだ。

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