メタバース文化都市「メタトーキョー」の開発加速【NFTと組み合わせた音楽フェスや有名IPコラボも計画中】

メタトーキョー(MetaTokyo)

2022年2月1日、アソビシステム株式会社、ParadeAll株式会社、Fracton Ventures株式会社の3社が、合弁会社*「MetaTokyo株式会社」を設立した。国内外のクリエイターや企業と事業展開を行う「メタトーキョー(MetaTokyo)」の開発を推進する。

  • アソビシステム株式会社
    本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中川悠介 以下、アソビシステム
  • ParadeAll株式会社(パレードオール)
    本社:東京都中野区、代表取締役社長:鈴木貴歩 以下、ParadeAll
  • Fracton Ventures株式会社(フラクトン ベンチャーズ)
    本社:東京都品川区、代表取締役:鈴木雄大、亀井聡彦、赤澤直樹 以下、Fracton

合弁会社
合弁会社とは、2つ以上の企業が共通の利益のために共同で事業を行う、その様子や方法を指す。JV(Joint Venture:ジョイント ベンチャー)と呼称することもある。株式会社、合同会社、合資会社にような会社を種別する言葉ではない。資金・人材・ノウハウを共有でき、コスト・リスクを(自社と)切り分けられるなどのメリットがある。

参考:アソビシステム公式ニュースリリース

メタトーキョー(MetaTokyo)
画像出典:PR TIMES

1.MetaTokyo株式会社設立の目的

Bloomberg Intelligenceの分析によれば、メタバース市場は2020年の4,787億ドルに対し、2024年には7,833億ドル(年平均成長率は13.1%)に達する可能性がある。また、現在はゲームやライブイベントなどライブエンタテインメントが中心だが、観光や医療、教育などの分野への拡大も見込まれている。

メタバース市場の成長展望
画像出典:Bloomberg

このようなメタバースやNFT*の世界的な盛り上がりは、日本のカルチャー、エンタテイメントなどの芸術文化活動や資産をグローバルに発信し事業化する可能性に満ちているとして、「メタトーキョー」を基盤として、国内外のIP(intellectual property:知的財産)、ブランド企業、地方自治体などとの取り組みを推進すべく、MetaTokyo株式会社の設立に至った。

NFT
NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、「権利書付きのコピーできないデジタル資産」のこと。一般的にデジタルデータは簡単にコピーされ流通してしまうが、NFTは特定のひとつを識別する識別子を有し、取引履歴や所有者の情報が保存されるため、コピー(偽造)できない。いわゆる「1点もの」となる。ゆえに「代替ができない(非代替性)」と表現される。つまり、誰のものであるかを識別できる状態で流通するため、権利を主張でき、資産になるという仕組み。

2.メタトーキョーのこれまで

2018年8月

「グローバル文化都市トーキョー」創出プロジェクトとして同3社によって始動。グローバルで新たなカルチャー、NFTとその技術基盤であるブロックチェーン、新たな社会の在り方を実現するWeb 3.0*と、文化・都市を結びつけることを目的として、メタバースプラットフォーム「Decentraland(ディセントラランド)」に構築。

Web3.0
インターネット構造の概念を表す言葉。
Web1.0:1989年~。WWW(World Wide Web:ワールドワイドウェブ)が発明された以降の黎明期。広く普及せず、一部の層のみが利用していた。
Web2.0:2000年代半ば~現在。通信状態や速度が安定し、生活に不可欠なインフラとなった。GoogleやFacebookなど一部の組織に権力が集中していることから「中央集権型」とも呼称される。
Web3.0:ブロックチェーンなどの分散型ネットワークにより、中央集権からユーザー主権へ。一部組織による支配からの解放を求めることから「非中央集権型」「分散型」とも呼称される。

2021年11月

日本初となるジェネラティブアート*にフォーカスをしたポップアップミュージアム「SPACE by MetaTokyo」を開設。NFTアートの「Generativemasks」、「function draw()」、「すしぴこ(Sushipico)」を展示。

ジェネラティブアート
ジェネラティブアート(Generative Art)とは、意図的に偶然性を取り入れたプログラミングで生成・合成・構築される芸術作品のこと。

SPACE by MetaTokyo
SPACE by MetaTokyo(画像出典:PR TIMES

Generativemasks」は、表情の異なるユニークなマスクを次々と自動的に生成し、リロードするたびに異なる配色のマスクを楽しむことができる。発売から2時間あまりで1万個が完売し話題となった。

Generativemasks
Generativemasks(画像出典:PR TIMES

function draw()」は、国内のクリエイティブコーダーによるジェネラティブアート作品のNFTを販売するしている。

function draw()
function draw()(画像出典:PR TIMES

すしぴこ(Sushipico)」は、キューブ型のお寿司。日本の伝統食であるお寿司の魅力を小さなドット絵に詰め込んで、ゲームやグッズなどさまざまな形で触れて親しんでもらえるような作品を展開している。

すしぴこ(Sushipico)
すしぴこ(Sushipico)(画像出典:PR TIMES

2021年11月

「MetaTokyo Pass」を販売したところ、限定100枚が5時間で完売。同NFTの所有者は、「メタトーキョー」内で行われる、限定イベント、制限エリアへの入場など、様々なアクティビティや特典を受けられるというもの。発売価格は0.033ETH(約1万円)/枚であった。現在もNFTマーケットプレイス「OpenSea」で二次流通分が取引されている。

MetaTokyo Pass
MetaTokyo Pass(画像出典:MetaTokyo Pass特設ページ

2021年12月

原宿ファッションを世界に知らしめたストリートスナップ雑誌「FRUiTS」(1997年創刊)とコラボレーション。創刊号に掲載されたストリートスナップ(写真)や表紙を展示。同写真などは、アート特化のNFTマーケットプレイス「Foundation(ファウンデーション)」にてオークション販売もされた。

SPACE by MetaTokyo(FRUiTS仕様)
SPACE by MetaTokyo FRUiTS仕様(画像出典:PR TIMES
FRUiTS展|SPACE by MetaTokyo
「FRUiTS」展の様子(画像出典:PR TIMES
FRUiTS掲載写真
販売されたストリートスナップ画像(一部)(画像出典:PR TIMES

このように、「メタトーキョー」を基盤に、日本の様々なカルチャーやエンタテイメントを、メタバース、NFTと組み合わせて発信することで国内外から大きな反響を受けている。

3.メタトーキョーのこれから

MetaTokyo株式会社は、メタバースプラットフォーム「Decentraland」に保有する土地において音楽フェスティバルの開催や、ライブ会場の構築、有名IPとのコラボレーションプロジェクトを計画中とのこと。今後のコラボレーションも楽しみだ。

なお、同社の役員体制は下記。

  • 代表取締役CEO
    鈴木貴歩(ParadeAll株式会社 代表取締役)
  • CCO(Chief Culture Officer:最高カルチャー責任者)
    中川悠介(アソビシステム株式会社 代表取締役社長)
  • CSO(Chief Strategy Officer:最高戦略責任者)
    鈴木雄大(Fracton Ventures株式会社 Co-Founder)
  • CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)
    赤澤直樹(Fracton Ventures株式会社 Co-Founder)
  • CMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)
    亀井聡彦(Fracton Ventures株式会社 Co-Founder)
  • CGO(Chief Groove Officer:最高グルーヴ責任者)
    Ace/久野憲明
  • CMVO(Chief Metaverse Officer:最高メタバース責任者)
    MISOSHITA

CMVO(最高メタバース責任者)には、「メタトーキョー」のデザインも手掛けたメタバース/VRクリエイターのMISOSHITA氏が就任。公式Twitterでも就任を表明している。

「メタトーキョー(MetaTokyo)」に関する問い合わせ先は下記。

メタトーキョー・ハブ contact@metatokyo.com

引用元:PR TIMES