松竹がメタバーススタジオ開設【バーチャルプロダクション技術でMETA歌舞伎をLIVE配信】

2022年1月21日、松竹株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:迫本 淳一 以下、松竹)は「代官山メタバーススタジオ」を開設し、バーチャルプロダクション技術を用いたデモムービーを公開した。

出典:松竹 事業開発本部ニュースリリース

1.代官山メタバーススタジオの概要

代官山メタバーススタジオ(住所:東京都渋谷区代官山町14番23号)では、グリーンバックや大型LEDディスプレイを用いて、リアルタイムに人物とバーチャルセット(CG背景)を合成し撮影することができる。これにより、ロケーション撮影が難しいといった地理的制約や、日照時間、天候といった自然条件に左右されない制作が実現される。また、CG撮影後に必要な背景と人物の合成作業が大幅に短縮されるため、従来の編集作業の効率化も期待される。

代官山メタバーススタジオ|松竹
代官山メタバーススタジオ(画像出典:PR TIMES
代官山メタバーススタジオ|松竹
代官山メタバーススタジオ(画像出典:カディンチェ株式会社ニュースリリース

同社は、本事業を通して、映画・演劇事業における3DデータやCGの活用ニーズを探ると共に、個人・法人問わず多様なクリエイターと共創し、コンテンツ開発・技術検証を行うことで、最先端技術とクリエイティブ制作を繋ぎ、新たな表現方法を追求するとしている。

スタジオ設備概要

  • 横幅10m x 奥行き13m x 高さ 2.7m
  • グリーンバックやLEDウォールを背景とした撮影が可能。
  • 撮影エリア:横幅10m x 奥行き5m
  • モーションキャプチャエリア: 横幅10m x 奥行き5m
  • カメラトラッキング:Stype社のRedSpyを導入
  • リアルタイム合成:Future Group社のPixotopeを導入、UE4と併用することでリアルタイム合成が可能。
  • 控室:10人以上が滞在でき、洗面台も完備。打ち合わせ・ポストプロセッシングスペースあり。
代官山メタバーススタジオ|松竹
代官山メタバーススタジオ(画像出典:PR TIMES
代官山メタバーススタジオ|松竹
代官山メタバーススタジオ(画像出典:PR TIMES

2.バーチャルセットが移り変わるワンカットのデモムービーを公開

代官山メタバーススタジオの開設と合わせて、バーチャルプロダクション技術を用いたデモムービーを公開した。グリーンバックで演じる俳優と、4つのバーチャルセット(CG背景)をリアルタイムで合成したものだ。撮影はワンカットで行われ、大自然、神社、宇宙船、学校と、バーチャルセットが移り変わっていく演出になっている。
また、後半部分では、グリーンバックの俳優と、ダンサーの動きをモーションキャプチャで取り込んだ3Dキャラクターがダンスをする演出も含まれている。

3.コンテンツ第一弾は「バーチャルプロダクション技術×歌舞伎」

代官山メタバーススタジオのバーチャルプロダクション技術活用したコンテンツの第一弾も発表されている。平安時代を緻密に再現したバーチャルセットと、グリーンバックで演じる歌舞伎俳優の映像をリアルタイム合成する「META歌舞伎 Genji Memories」だ。

META歌舞伎に挑むのは、歌舞伎俳優の中村壱太郎氏と中村隼人氏。壱太郎氏は5役の女性を演じ分け、総合演出も行う。隼人氏は自身初となる光源氏役に挑む。「呪術廻戦」などの監督で知られる朴性厚(パク・ソンフ)氏が設立したスタジオ「E&H production」の演出スタッフも制作に協力していて、「歌舞伎×バーチャルプロダクション技術×アニメ演出」の新感覚エンターテインメントを提供する。

META歌舞伎 Genji Memorie
META歌舞伎 Genji Memorie(画像出典:PR TIMES

総合演出も担当する壱太郎氏は次のように意気込みを語っている。

歌舞伎×アニメ演出×バーチャルプロダクションという史上初の試み。スタジオのコンパクトな空間で、いかにダイナミックで美しい歌舞伎ができるかに焦点を当てています。

出典:歌舞伎美人

一方の隼人氏も次のように語り、期待を込めている。

何か挑戦していかないと歌舞伎が残っていかないという危機感があるなかで、これは一つのチャンスだと思い、参加させていただきました。歌舞伎とアニメの相性のよさは認知されつつあると思いますが、そこへバーチャルプロダクションを交えたらどうなるのか。これは歌舞伎だけでなく演劇の可能性を広げることにもなるのでは。

出典:歌舞伎美人

同作品は、2022年1月25日 21:30開演、公式動画配信サービス「ミレール」でライブ配信される(奇しくも、本記事を執筆しているまさに今、ライブ配信されている)。料金は、LIVE生配信:2,500円、特典映像付きアーカイブ配信:3,000円。
なお、本公演に繋がる「序章」の物語として、オーディオドラマ『META歌舞伎 Genji Memories -序章 藤壺の章-』が公式YouTubeで配信されている。

なお、代官山メタバーススタジオはミエクル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井上貴弘 以下、ミエクル)が主体で運営する。
ミエクルは、松竹と、空間表現技術の研究開発及び製造・販売を行うカディンチェ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:青木崇行)が、先端技術を活用した「エンターテインメント×テクノロジー」をテーマに2018年5月に共同で設立している。「エンターテイメント×バーチャルプロダクション技術」で、未来のエンターテインメントに向けた取り組みを加速していく考えだ。

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