PwCがメタバース活用コンサルティングを開始【ブロックチェーン導入も支援】

2021年12月22日、PwCコンサルティング合同会社(本社:東京都千代田区、代表執行役CEO:大竹伸明 以下、PwCコンサルティング)は、メタバースを活用したビジネス変革のコンサルティング支援サービスの提供を開始した。
参考:PwCの公式ニュースリリース メタバース活用のコンサルティングサービスを提供開始

1.PwCコンサルティング合同会社とは

PwCコンサルティングは、ロンドンに拠点を置く「PwC(Price waterhouse Coopers:プライス ウォーター ハウスクーパース)」のメンバーファーム*で、日本において経営戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供している。

なお、PwCは、世界156カ国に295,371人のスタッフを擁する世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム(2021年6月30日現在)であり、ファーム全体として、主に監査、税務、アドバイザリーサービスを提供している。

メンバーファーム
メンバーファームとは、提携会社に近いニュアンス。それぞれが独立した会社であり資本関係などはないが、緊密に連携し、最新情報や市場動向、ノウハウを相互に共有している。また、例えば、PwCのメンバーファームは「PwC」の名称を使用することができる。メンバーファームの集合体を「プロフェッショナルサービスファーム」と呼称することもある。

PwC Japanグループオフィス
PwC Japanグループ 大手町のオフィス

2.メタバースコンサルティング提供の背景

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、新しい生活様式が浸透するなど多くの変化が生じている中、物理的な接触や交流が大きく制限される環境下では、メタバースの活用が広がっている。また、PwC Japanグループ(日本にあるPwCメンバーファームの総称)では、人材育成にVR研修を導入したり、新卒採用イベントを仮想空間で開催したり、メタバースの活用が試みられていて、今後は、エンターテインメント分野やゲーム分野だけでなく、ビジネス全般にて主流となると見込んでいる。

具体的には、事業構想から、新規事業のデザイン、マネタイズモデルの設計、データ活用、システム開発による具体化まで一貫して対応することで、デジタル・ディスラプション(デジタル技術がもたらす破壊的な革新)時代の経営改革に貢献すべく、メタバース活用支援を開始する。
なお、現在のコンサルティングサービスをメタバースに再現するのではなく、既存のコンサルティングが抱える課題について、新しい解決策の方向性や、より付加価値あるモデルを世界に提示していくとのこと。

3.メタバースコンサルティングの特徴

主な特徴として、3つの視点を挙げている。

(1)コア事業視点

経営戦略刷新や新規事業検討など、コア事業において抱える課題を解決する手段としてメタバースを活用した解決策を提案する。

  • メタバースを活用した事業構想
  • リアルでの物理的壁がなくなる中でのボーダーレス・海外事業構想
  • メタ・メタバース(複数のメタバース同士をつなぐような、メタバースのメタバース)の到来を前提とした事業

(2)バリューチェーン視点

バリューチェーンに目を向け、展示や広告だけでなく、メタバース活用による付加価値や、体験価値創出の可能性を検証する。

  • メタバースでの事業構想
  • メタバースでの企画業務・商品/サービス開発
  • メタバースでの顧客調査・アンケートに代替する調査メソッド構築
  • メタバースでの顧客体験最大化および感動の醸成
  • メタバースを活用したマーケティング
  • メタバース環境の構築・リアルとの両空間を前提とした働き方構築

(3)メタバース業界全体の視点

メタバースを活用した日本ビジネス界の活性化に向け、業界全体の動向を捉え、メタバース普及を阻む課題解決の視点で変革を支援する。

  • メタバース業界動向の調査
  • 規制対応、法対応
  • 知的財産の取り扱い

4.メタバースコンサルティングのこれから

同社は、これまで培ってきたコンサルティングスキルと、メタバース活用から得た知見をハイブリッドで提供することによって、企業のメタバース活用と、メタバース業界の普及・拡大に尽力すると意気込みを述べている。また、本サービスやクライアント企業との協議をメタバースで行うことも想定していて、同社の「Technology Laboratory」内にメタバース環境を構築している。

「Technology Laboratory」は、2020年7月6日に開設され、PwCメンバーファームの様々な研究組織と連携し、異なるフィールドで活躍する人々を結び付け、先端技術などに関する幅広い情報を集積している。また、その情報を活かし、企業、大学、研究機関、政府機関の技術イノベーションなどを総合的に支援している。2021年10月7日には、活動拠点(東京都千代田区大手町1 大手センタービル 1F)を設置した。

Technology Laboratory|PwCコンサルティング
大手センタービル内Technology Laboratoryの活動拠点(画像出典:Technology Laboratory
Technology Laboratory|PwCコンサルティング
大手センタービル内Technology Laboratoryの活動拠点(画像出典:Technology Laboratory

5.ブロックチェーンコンサルティングも提供

PwCコンサルティングは、「Technology Laboratory」開設の4か月後、2020年11月11日には「Blockchain Laboratory」も開設している。
参考:PwCの公式ニュースリリース Blockchain Laboratoryを開設

同社が、PwCが2020年11月に発表したレポート「Time for Trust-The trillion-dollar reasons to rethink blockchain」で「ブロックチェーンは2030年までに世界のGDPを185兆円、日本のGDPを7.7兆円押し上げる可能性がある」と予測されていることに触れ、一方で、ブロックチェーンは技術も市場もまだまだ成熟しているとは言えないとして、日本企業でのブロックチェーン導入、実用化、商用化を一貫して支援していく考えだ。

具体的な支援内容は下記。

  • クライアント組織でのブロックチェーン教育から着手し、エコシステムにおけるクライアントの役割を戦略化する。
  • デザイン思考を駆使し、ユースケース抽出を加速する。
  • イノベーションを加速するためのチャネルパートナーを特定する。
  • PoC(Proof of Concept:概念実証)でMVP(Minimum Viable Product:実用最小限商品)を短期開発し、クライアントの仮説やビジネスケースを反復検証する。
  • リスクとセキュリティのレビューを実行し、組織全体の戦略的、技術的、および運用上の考慮事項を確認して、パイロットの準備をする。
  • 組織全体の人、プロセス、テクノロジーを、ブロックチェーンエコシステムのために調整する。
  • ブロックチェーンエコシステムを監査するプロセスを検討する。
Blockchain Laboratoryの取り組み|PwCコンサルティング
画像出典:Blockchain Laboratory

加えて、同社は、2022年1月12日、ブロックチェーン技術を活用して、コンテンツの著作権情報を安全に管理できるシステムを共同で運用するためのコンソーシアム(共同事業体)である「Japan Contents Blockchain Initiative」に加入している。

Japan Contents Blockchain Initiative
Japan Contents Blockchain Initiativeの会員企業26社(画像出典:JCBI

同コンソーシアムの目的は、「ブロックチェーンシステムを基盤とした自律分散型で高い信頼性が担保された共同運営プラットフォームを実現することで、加入企業各社のコンテンツを保護し、これによりコンテンツを安全に流通させることで、コンテンツ流通の拡大を図る」である。また、加入企業は、共同運営プラットフォーム上に自社サービスを自由に開発することもできるとのこと。

PwCコンサルティングを含むPwC Japanグループの、「メタバース市場」や「ブロックチェーン市場」での動向にも注目したい。

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