monoAIがメタバース領域で7.5億円調達【プラットフォーム「XR CLOUD」で市場リード狙う】

XR CLOUD|monoAI

2022年1月31日、monoAI technology株式会社(モノアイ テクノロジー、本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:本城嘉太郎 以下、monoAI)は、Sony Innovation Fund(ソニー イノベーション ファンド)などから総額7.5億円を資金調達したことを発表した。今回の資金調達により、累計調達額は15億2,500万円となる。

1.monoAIとは

XR CLOUD|monoAI
画像出典:monoAIニュースリリース

monoAI technology株式会社は2013年1月に設立され(創業は2005年7月)、2020年7月にバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」をリリースしている。「先進技術で、エンタメと社会の未来を創造する」を理念とし、ゲーム開発で培った技術をベースにエンターテインメントから仮想オフィス、バーチャル展示会といったソリューションまで、幅広いコンテンツを扱っている。

「XR CLOUD」を活用することにより、最短1週間で企業の目的別にカスタマイズしたメタバース上のイベントを企画・制作・開発・運営サービスを提供し、XRやITに関する技術的な知識を持たない企業担当者でも、高品質のイベント(就職セミナー、新商品発表会、自社開催の会議など)を手軽に開催できるようサポートしている。

2.資金調達の目的

Bloomberg Intelligenceの分析によれば、メタバース市場は2020年の4,787億ドルに対し、2024年には7,833億ドル(年平均成長率は13.1%)に達する可能性がある。また、現在はゲームやライブイベントなどライブエンタテインメントが中心だが、観光や医療、教育などの分野への拡大も見込まれている。

メタバース市場の成長展望
画像出典:Bloomberg

monoAIもメタバース市場の拡大を見据え、自社が運営するバーチャル空間プラットフォーム「XR CLOUD」をもって市場をリードすべく、さらなる研究開発と事業強化を目的に資金調達を実施した。

3.monoAIの「XR CLOUD」とは

https://youtu.be/Q0Lxnxw724U

XR CLOUDの特徴

「XR CLOUD」は、独自の「大規模VR空間共有技術」をベースにしたメタバースプラットフォーム。大きく4つの特徴がある。

  1. 超大規模同時接続エンジン搭載
    独自の通信技術を用いた大規模同時接続エンジンによって、10万人が同時に接続できる。高速同時多接続が特徴の5G回線を最大限活用した、大規模のバーチャルイベントやパーチャル店舗の展開が可能。※標準の同時接続人数は1,000人。ニーズに応じて最大10万人まで拡大。
  2. 双方向での音声コミュニケーション
    双方向の音声会話やテキストチャットでコミュニケーションを活性化し、バーチャル空間上で積極的に情報交換や交流ができる。イベント後の情報交換会など、人と人を結ぶ場の提供が可能。
  3. PC / スマホでどこでも気軽に参加
    パソコンやスマートフォン、どこからでも手軽に参加できる。利用デバイスによる障壁が少なく、分け隔てのない参加が可能。
  4. 標準仕様の会場とアバターを用意
    講演や展示会で使用できる会場や、ビジネスシーンで利用できるスーツ、ライトなイベントで利用できるTシャツなど、約40種類のアバターが用意されている。手軽なイベント開催が可能。
標準仕様の会場とアバター|XR CLOUD
標準仕様の会場とアバター(画像出典:XR CLOUD

XR CLOUDの活用事例

2021年6月5日、中京テレビ、三井物産主催で、ご当地VTuber4名からなるユニット「日本烈島」の「日本烈島バーチャルファンミーティング」を開催。XR CLOUD内の空間で全員参加型のゲームや、Vtuberとのツーショットトークを実施。

日本烈島バーチャルファンミーティングの様子

2021年9月10日、阪神甲子園球場をデジタル空間に再現したデジタル甲子園で、「DXが変革するマネジメントのあり方やエンタテインメントの世界 in デジタル甲子園」を開催。著名人による講演を実施した他、出展者と来場者は商談の場を体感した。

DXが変革するマネジメントのあり方やエンタテインメントの世界 in デジタル甲子園
DXが変革するマネジメントのあり方やエンタテインメントの世界 in デジタル甲子園(画像出典:XR CLOUD

また、「バーチャル入社式」パッケージも販売していて、2022年1月13日には、monoAIの入社式もXR CLOUD上で開催された。

4.資金調達における引受先概要

今回の資金調達における引受先は下記。

  • Sony Innovation Fund(新規)
  • GMCM VENTURES PTE. LTD.(新規)
  • きらぼしキャピタル夢・はばたき1号投資事業有限責任組合(新規)
  • 株式会社アドウェイズ(新規)
  • 株式会社イグニス(既存)
  • その他、既存株主を含む個人投資家

Sony Innovation Fund チーフインベストメントマネージャーの土川元氏は「monoAI technologyは、メタバースやXRの領域においての価値提供を通じて、着実に成長を続けているスタートアップ。ソニーグループとの事業連携を検討し、同社の挑戦を支援していきたいと考えている」とコメントした。