2022年1月4日、Canon U.S.A., Inc.(以下「キヤノン」)が同社初のVRプラットフォームソフトウェアとなる「Kokomo」を開発中であることを発表し、メタバースプラットフォーム市場への参入を表明した。
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1.キヤノンの「Kokomo」とは
同社は公式サイトで次のように述べている。
SAY GOODBYE TO AVATARS
Canon U.S.A. 製品ページ
See your loved ones face-to-face without relying on cartoon-like avatars.
訳:アバターに別れを告げよう
漫画のようなアバターに頼ることなく、愛する人と顔を合わせて会うことができる。
「Kokomo」はコミュニケーションを変えるように設計されていて、互換性のあるキヤノンのカメラ、VRヘッドセット、スマートフォンを使用することで、友人や家族と実質的に「対面」する方法を提供する。
キヤノンのカメラと画像技術を活用してユーザーのリアルな表現を作成するため、通話は、画面やアバターではなく、対面でやり取りしているように感じられる。バーチャルリアリティの没入感と、ビデオ通話の使いやすさを兼ね備え、本当に「一緒に居る」ような体験が生まれる。
互換性のあるキヤノンのカメラについては、2022年1月、アメリカ・ラスベガスで開催された電子機器の見本市「CES」でデモ機として使用された「EOS R5*」「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE*」以外は明らかになっていない。
EOS R5
世界初8K/30P動画撮影の内部記録を実現。8Kタイムラプスや、HDR PQ動画により、表現領域がさらに拡大。
約4500万画素35mmフルサイズCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載。高解像・高感度・高速化を追求。
RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE
5.2mmの魚眼レンズを2個搭載したキヤノン初のVRレンズ。対応(2021年12月時点)するカメラ「EOS R5」に装着することで、180° 3D VR映像を手軽に撮影できる。RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEスペシャルサイト
2.「Kokomo」の発売時期
「Kokomo」は、米国でもその他の国でも未発売。発売日はまだ発表されていないが、2022年中に発売される予定。キヤノンは今後も新しい機能を追加したり、キヤノンのカメラとの互換性を拡張していく。
一方で、公式プレスリリースには「仕様および機能は変更される可能性があり、このソフトウェアが現在またはその他の形式で、米国またはその他の国で販売または使用できるようになるという保証はない」と添えている。
3.「Kokomo」のターゲット層
「Kokomo」を利用するためには、VRセットはもちろん、互換性のあるキヤノンのカメラが必要ですが、「EOS R5」と「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」をあわせた購入価格は700,000円前後ですから、手軽に利用できるようなプラットフォームではありません。加えて、「Kokomo」自体の利用料や課金形態(買い切り・サブスク)も現時点では未知です。
この記事の冒頭でも触れたように、「Kokomoはコミュニケーションを変えるように設計されている」、「漫画のようなアバターに頼ることなく、愛する人と顔を合わせて会うことができる」とのことから、そのつながり方に意義があるとしても、大衆向けとは言い難いです。
また、なりたい自分になれる漫画のようなアバターだからこそ成り立つ世界観も存在し、それこそがメタバースの意義であるという層もいます。
市場やターゲット層は限定されるとしつつも、「Kokomo」の続報を待ちましょう。