新潟市はバーチャル分野の先進地【メタバース体験会で企業にビジネスチャンス示す】

2022年2月16日~17日、新潟市成長産業支援課はメタバース体験会を開催した。対象は、同市が運営するコミュニティ「DXプラットフォーム」の会員だ。

新潟市は、メタバース参入を通した企業支援に積極的である。メタバースに対して、リモート会議や営業など現実世界の延長としての個社利用だけでなく、業種を超えたサービスの共同開発や、身体的ハンデなどを持つ人の雇用創出を期待しているからだ。事業者の仮想空間への理解を深めるための取り組みとして参考にしたい。

1.新潟市のメタバース体験会

メタバース体験会|新潟市
体験者が見ている映像が前方に投影されている(画像出典:にいがた経済新聞

メタバース体験会では、新潟市産業振興センター内「5Gビジネスラボ」(後述)で開催され、実際にVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を身に付け、VRチャットソフト「VRチャット」「Horizon Workrooms」を体験でき、2月16日~17日の2日間でDXプラットフォーム会員20人が参加した。

Oculus Quest 2(Amazon)

体験会に参加した株式会社メビウス(新潟本社:新潟県新潟市)の社員は次のように語った。

(VRには)IT関係のイベントで少し触れたことはあったが、長い時間体験したのは初めて。これほど空間をリアルに感じ、様々なことが可能であることに驚いた。弊社では3Dモデルを活用するサービスを開発中だが、スマートフォンなどのディスプレイ上だけでなく、VR空間を見据えて開発していきたい

引用元:にいがた経済新聞

また、メタバース体験会事務局スタッフの五十嵐氏は次のような感想を語っている。

体験者からは「想像以上のクオリティ」「没入感がすごい!」「VRでこんなことが出来るの!?」などの感動の声に加え、「この空間に広告は出せるの?」「社内会議をバーチャル化したい」「教育分野で使えそう」など具体的な活用イメージを話される方もいらっしゃいました。バーチャル空間を活用したビジネスのきっかけとなれば事務局としても嬉しい限りです。

引用元:公益財団法人 新潟市産業振興財団のブログ

2.新潟市の「DXプラットフォーム」とは

DXプラットフォームは、新潟市(公益財団法人 新潟市産業振興財団)が2021年4月1日に起ち上げた「異業種連携とDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた新規事業開発のための共創型コミュニティ」である。2021年9月15日には新潟市産業振興センター内に「5Gビジネスラボ」開設され、今回の体験会も同ラボ内で開催された。会員企業・団体数は53となる(2022年2月17日時点)。

新潟市産業振興センター
新潟市産業振興センターの外観

具体的には、主にDXによる新たなビジネス創出を促進する会員制プラットフォームで、個社の力では実現困難な新たなアイディアの事業化を、異業種のノウハウや設備、人材のシェアによってサポートする仕組み。5G環境が整備された無柱4,455平方メートルの展示ホールや大小会議室を備えた「5Gビジネスラボ」を活用すれば、展示会や見本市の開催はもちろん、各種イベントの実証実験なども可能だ。
※「5Gビジネスラボ」はDXプラットフォーム会員のみ利用可能(入会案内

新潟市産業振興財団DXプラットフォームのサービス
DXプラットフォーム サービスの仕組み(画像出典:新潟市産業振興財団

今回の体験会を開催した新潟市成長産業支援課の宮崎博人課長は、「スーパーJにいがた」のインタビューに対して、「メタバースは世界中の大手の企業が参加している。新潟市もバーチャルな分野では先進地となるような立場になっていきたい」、「もっと多くの新潟の企業にメタバースをビジネスにつなげてほしい」と意欲を表明した。

3.新潟市のその他の取り組み

産業振興センター内には、市産業支援課に繋がる遠隔接客サービスも導入している。非対面・非接触・リモート案内を可能にし、アバターモードと生顔モードの切り替えも可能。
なお、同サービスには、株式会社UsideU(ユーサイドユー、本社:東京都豊島区、代表取締役社長:高岡淳二)が開発・提供する「TimeRep(タイムレップ)」が採用されている。

新潟産業振興センターの遠隔接客サービス
新潟産業振興センター内に導入されている端末(画像出典:にいがた経済新聞

また、新潟市がまちづくりの基盤として注力している「にいがた2km」(新潟駅、万代、古町をつなぐ都心軸2km範囲の呼称)についても、メタバース「バーチャルにいがた2km」を構築し、バーチャルを活用した新たなビジネスの足掛かりとして公開予定だ(2023年度予定)。

4.バーチャルワーカーも採用

今回の取り組みには、もうひとつ注目したい点がある。メタバース内の案内や基本操作の説明をするスタッフとして、バーチャルワーカーが採用されていることだ。バーチャルワーカーの採用には株式会社Gugenka(本社:新潟県新潟市、代表取締役CEO:三上昌史)の人材サービス「Gugenkaバーチャルワーク(コミュニティ)」が活用されている。

メタバース体験会|新潟市
黄色のキャラクターが案内役のヴァーチャルワーカー(画像出典:にいがた経済新聞

前出の五十嵐氏は、バーチャルワーカーについては次のように語っている。

今回の体験会では、バーチャル空間でのコミュニケーションや体験を円滑に行うため、バーチャル空間内に案内スタッフを2名配置しました。私たちとしても初めての試みでしたが、新しい働き方を体感する機会となり、改めて、バーチャル空間のポテンシャルの高さを実感する二日間となりました。

引用元:公益財団法人 新潟市産業振興財団のブログ

新潟市は、市内企業のDXと異業種連携を通じた新規事業開発支援のため、DXプラットフォーム推進事業に52,000千円の予算を充てている(令和4年度当初)。新潟市がバーチャルな分野で先進地となることを応援したい。

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